第4回キャラクター部門のテーマは『愛』。しばしばコンペティションで使われるテーマだけに、
どこまで独創性を感じさせるものができるかが一つの鍵となる。
安齋肇氏によって選出された受賞作品を紹介していく。
【講評】 マーケティングで情報を収集して人気が出そうなキャラクターをつくる方法もありますが、この人は自分が好きで描いているのがよくわかります。やっぱり描く対象に『愛』がないといけません。プリミティブな表現が暖かさを、家のようなボディは豊かさを、アンバランスな手足は愛しさを感じます。着ぐるみにならないかしら。
【講評】 全作品の中でハートを組み合わせて構築したキャラクターはこれだけでした。無理のある挑戦が生んだ違和感に目を奪われました。特に顔を2つのハートでつくったところ、安易に目をハートにしなかったところ、ネーミングもいいですね。
【講評】 キャラクターの大切な要素の一つはシンボリックであること。第一印象で認識できる強みがありました。虫をモチーフにしているのに嫌悪感がなく、モノトーンでまとめたセンスの良さなど、極めて総合力の高い人ですね。
【講評】 世界観すべてという意味で選びました。こういう自分の世界から出てこないキャラクターが存在してもいいわけです。
コミックみたいな媒体で展開していくと、わかりやすく受け入れられるかも。
【講評】 キャラクターの解釈が多様化している今、こうした立体のアプローチも需要があるのではと思って選びました。布・糸・粘土などでつくられているのに、妙にのっぺりした表現も興味深いです。新しいアプローチだと思います。
【講評】 一見しただけでは目新しさが感じられないのですが、よく見ると、まつ毛に感情が出たり、頭の上に鼻があったりする違和感が面白い。しっかり小道具まで描かれている点も好感が持てます。
【講評】 一次審査ではセレクトから外したのですが、やっぱり気になってピックアップした作品です。消しゴムはんこによってつくられた微妙に異なる表情がいいですね。見る側の感情が反映される作品です。ただ、もっとテーマが伝わるようにお願いします。
【講評】 愛されるキャラクターとしての存在感を感じました。ウエアを引っ張り上げて、顔を隠しているので、未知の部分がとても気になります。どんな表情が潜んでいるのかを想像したくなる仕掛けも楽しいです。ピンク色がアイコンとしても目を引きます。