絵本が今、面白い。
絵本の世界に潮流が生まれています。ファンタジーやほのぼのとしたタッチの絵本が受けた時代から、細密に描き込まれたアート性の高い作品や、シュールでリアリティー溢れる描き方、マンガのようなコミカルなタッチの絵本など、個性豊かな表現がなされています。クスッと笑えるけど、心にずしんと残る。また、切なかったり、胸がキュンとしたり。物語のテーマも、生死や人間関係などを取り上げたメッセージ性の高い絵本が数多く存在し、読者を惹きつけてやみません。
今号のイラストノートは、今、話題の絵本作家に注目。枠にとらわれない創作スタイルや活動から、絵本の今が見えてきます。
ヒグチユウコ
ディック・ブルーナ
にしのあきひろ
のぶみ
谷口智則
ヨシタケシンスケ
ザ・キャビンカンパニー
中村佑介
ほか…
定価(本体+税): 1, 800 円+税
ISBN:978-4416517468
2017年4月22日発売
現実と非現実を
行ったり来たりする
唯一無二の絵本の世界。
細密に描かれた動物や謎の生物や少女…。
心をかき乱されるような、不思議な力を宿すストーリー。
一見するとダークファンタジー的にも捉えられるが、
画家・ヒグチユウコが生み出す絵本は、その枠を超越している。
読者の心を鷲掴みにするヒグチの絵本の魅力を、作品から紐解いていこう。
ブルーナが追い求めた表現とは何か?
グラフィックデザイナーであり絵本作家であったディック・ブルーナは、世界中の子どもたちに愛される絵本を生み出し、ポスターや本のデザインで数多くのクリエイターに影響を与えてきた。こうした彼の創作の歴史に光を当てる展覧会が、2017年4月、松屋銀座で開催となった。膨大な仕事を残したディック・ブルーナは、いったい何を表現したかったのか。いまあらためて、彼の表現の本質に迫る。
革命の正体。
一般的に絵本の初版発行部数は、それほど多いわけではない。しかし、2016年10月に発売された『えんとつ町のプペル』は、異例の3万部からスタート。その勢いは止まらず、5カ月後の2017年3月には17刷が決定。実に27万5000部を売り上げている。長い時間をかけてベストセラーが生まれる絵本業界に起きた革命とは――。注目を集め続ける西野亮廣の思考と行動を探っていく。
心を込めて、愛を込めて。
命をかけて絵本を描き続ける。
ベストセラー誕生の後も、絵本作家のぶみは決して立ち止まらない。絵本を描くために走り続け、次の目標を見出したら、また前進していく。彼のなかにあるのはただ、愛を込めた作品を多くの人に届けたいという純粋な思いだけ。
日本人にしか描けない
魅力的な絵本を目指して
独特の�ぬくもり�を持つ世界観で人気を集める絵本作家、谷口智則。伝統的な日本画の考え方や技法を用いた作品の数々は、海外でも高い評価を受けている。その創作の秘密に迫っていく。
絵本作家じゃなかったから
描くことのできた絵本
“死”をテーマにした絵本、
『このあと どうしちゃおう』で
注目を集めているヨシタケシンスケ。
この絵本を描くことができたのは、
ずっと絵本作家じゃなかったからだ、と語る。
この言葉が意味するところとは。
船にのって、
子どものころ見た
あの場所へ
ちょっと、へんてこなキャラクター、
見たことないのに、どこかなつかしい世界。
結成当初、“CABIN”という
架空の人物のクレジットで
スタートしたユニットによる世界観とは?
森見登美彦によるベストセラー青春恋愛小説『夜は短し歩けよ乙女』が満を持してのアニメーション映画化。キャラクター原案を担当した中村佑介に、その裏側を語ってもらった。
ーContentsー
●ヒグチユウコ
●ディック・ブルーナ
●にしのあきひろ
●のぶみ
●谷口智則
●ヨシタケシンスケ
●ザ・キャビンカンパニー
●キャラクター原案 中村佑介に聞く 映画『夜は短し歩けよ乙女』
●「TIS BREAK」第36回 竹井千佳
●第18回「ノート展」結果発表・総評
●第6回ノート展「キャラクター部門」結果発表・総評
●絵本編集者が語る 「絵本の今。」筒井大介
...etc.